"INSIDE OUTSIDE"という映画が日本で公開され
7月4日にDVDとして売り出されたのを
ZAKAIBOLOG読者の方はご存知だと思いますが、
監督のインタビューをしてきたので紹介します。
その前にこの映画について軽く紹介すると、
この"アンドレアス・ジョンセン"は6年前から
世界のGARFFITIを撮影していて日本にも5年前に来ています。
"INSIDE OUTSIDE"はGRAFFの精神面からの姿勢と表現
というところにレンズを向けています。
なのでGRAFFITI映画というよりはストリートアーティストのドキュメンタリー
映画という方が正しいかもしれませんが世界を知るには良い映画だと感じます。
この映画はUPLINKで上映されました。
"INSIDE OUTSIDE"の上映前後にトークショウをもうけ
様々な価値感について話したものを特典映像として
小冊子と共に特装版として販売しています。
この映画を通して何を感じ何を思うか考えるにはいい映画だと思います。
もう少し特典映像も見たかった気がしますが。
〜インタビュー開始〜
K:今までどういう映画を作ってきたのか。あと、やっぱ映画も作品じゃないすか?
だから作品の思いというか、意図を教えてもらえますか。
ア:過去の作品ということでいえば2002年2003年に、日本に来たときに撮影したストックタウンというシリーズがあります。30分のシリーズの全9話もの。これは私にとっての国際的なレベルでの初作品で、撮影は日本以外にもヨーロッパやオーストラリア、アメリカでの各地のアンダーグラウンドシーンに行きました、その時に日本でK−6にも会ってきました。「stock town」の後はブラジル、リオのゲットーと呼ばれるファベーラの中で、バイレファンキを取材しました。グラフィティやストリートアートのシーン自体は1987年から取材を続けていまして、デンマークやニューヨーク、ヨーロッパのグラフィティやストリートアートを撮っていました。いずれ今回の形(『インサイド/アウトサイド』)には、まとめようと思っていました。それが作品という形になったのが2005年というわけです。『インサイド/アウトサイド』は1982年の『STYLE WARS』で取り上げらていたグラフィティの世界、その後のグラフィティ、ストリートアートの発展というものを捉えたつもりです。グラフィティという形だけでなく、様々なサブジャンルとしての分派もふくめての表現形態です。
5カ国を取材し、そのシーンがいかに国際的なものになって多様性を帯びてるかということを表現したかった。
K:じゃあ作品は自分で撮ってまわってるんですね。
ア:製作、撮影は1人ですが、監督にかんしては古くからの友人のニス・ボイ・ミュラーと共同でしています。他のプロジェクトもいくつか彼と一緒にやりました。1人で取材に出向くこともあれば、彼と一緒に出向くこともありました。ただ基本的には他の作品同様、私個人の会社で、基本的には1人で製作しています。
K:今回の『インサイド/アウトサイド』は、一連の関連性があると思うんですよ。他の色んなアーティストと。それでこの作品は見てもらう人に何を伝えようとしてるのか。まあ映画見ればわかるんすけど、それを言葉に表すとどうなんのか説明してもらっていいですか。
ア:なぜ彼らが描くのか、なぜ彼らが「公共のスペース」に描くのかわかってもらいたい。グラフィティやストリートアートを決して賞賛しようと言う意図ではなく、ただ事実として人々に伝え、考えてほしいと思い作りました。
Kこの作品は世界各国で売られてるの?
ア:フランス、北欧、ヨーロッパのいくつかの国、日本は今日(2008/7/4)発売、もしかしたらアメリカでも来月発売するかもしれません。
K:日本以外でも上映イベントはしたの?
ア:イベントという意味で言うとデンマーク、スウェーデンなどの北欧のほかに、パリでもやりました。また映画祭にも出品していてサンパウロや中国などの国際映画祭には出品しました。
K:評判はどうでした?
ア:非常に評判が良く、みんなグラフィティ/ストリート・アートシーンについて理解を深めようという気持ちになっていました。ある意味、開眼させる役割を『インサイド/アウトサイド』は果たしていると思います。
見た人たちは非常に驚くわけですよね。たとえばアダムス&イッツォ 彼らは街に無断で家を建てている。彼らのようなアーティストたちを見ることで、普段何気なく生活している街が実は“生きてる”ということを初めて実感し、また彼らみたいなアーティストが街を生かしていて実はそこに自分たちも参加できるんだということに気づいていきました。
K:取材したアーティストの反応と印象に残ったことは?
ア:多くのアーティストは当初は疑心暗鬼で、出ることに対して不安で…と言うのも、ほとんどのアーティストたちがインタビューをされたこともないし映画に出たことはもちろんない…。なので彼らを説得するのは非常に時間が掛かりました。
K:やっぱそうなんだ。
ア:そのために私は過去の自分の作品を見せ、こういうことをやりたいと説明する必要がありました。また私自身がグラフィティライターとしての経験もあるので、そのこともプラスには動いたと思ってます。基本的には出演してくれた全員が非常に満足してくれているのですが、中には喜んでくれてない人もいました。
それが誰かというと取材はしたけど編集の段階でカットしてしまったアーティストです。
その人たちにはあまり喜んでもらえなかった。
K:撮ろうと思ったけれど、撮れなかった人もいれば、「いや、撮るなよ」と言った人もいるってことですか?
ア:そうですね。拒否もした人もいます。
ニューヨークのrevsはその一人です。私は彼に敬意を払い、ずっとコンタクトをとっていたのですが、最終的に出演は拒否されました。過去の作品も見てくれてはいたけど、このドキュメンタリーにでることにはあまり関心を示してくれなかった。
K:日本にはまだグラフィティ映画が少ないから、多分撮りたい人はいるけど、それを勉強して撮る人もいれば、ノリで撮りたいっていう人もいるだろうから、そういう人のために機材について質問するんだけど、カメラは普通のハンディカムで撮ってたのですか?
ア:基本的にはソニーのPC100、DVカムです。(カメラをバッグから取り出し)後はこの家庭用のビデオいわゆるハンディカムです。(PC120)
K:結構オールドスクールだね。(カメラを手にして)
ア:でも凄くいいですよ。
K:暗いとこでも良く撮れる?
ア:もちろん。そしてワイドアングルと非常に相性がいい。
K:グラフィティには最適だね。
ア:その通り、すごくやりやすい。ただ撮影より多くの作業は、編集作業に掛かります。
特に注意を払ってるのは色調にアクセントを加えるということです。見た人の中には画像の質が35mmいわゆるフィルムで撮ったのかと聞かれるくらい、非常に良いクォリティに仕上がっています。
もしこれから何かを撮影したいと思う人たちに向けてのアドバイスですが、
音っていうのが作品の半分を占めるということ。とにかく大事だということです。多くの場合、人は撮影しているときにいい音を録るという事を忘れがちなんですね、
ただ撮り終わったときに気づくんだけど、いかに人の“生の声”が大事だったり、スプレー缶の音とか、そういう細かい部分がとても重要だったりということを。
K:『インサイド/アウトサイド』の次はどんな作品をとるの?
ア:『インサイド/アウトサイド』の次に、アフリカの3世代に渡るミュージシャンたちのドキュメンタリーを撮りました。彼らがアーティストとして生活する中でどれだけ苦労したのか、また彼らの政治観だったり、宗教観であったり、彼らの文化の中での魔術的な部分をドキュメンタリーにおさめました。
K:おもしろそうだね。
ア:凄くおもしろいですよ。
ア:その後にとった作品が、「goodcopy badcopy」。テーマはコピーライトについて。
いかにコピーライトに関する文脈の中で制限に規制が多いかということを、世界中の音楽に関わっている人たちと調べました。一種のオルタナティブな音楽形態というものをその中で模索してます。コピーライトは音楽だけに関わらず、映画やそのほかのビジュアルの芸術全般なんですけど、インターネットの世界でもそういう議論がありますが、一体誰が何を所有しているかということが大きなテーマでした。
で、現在撮っている作品は、ジャマイカで去年交通事故に遭い亡くなったな、とあるシンガーの人生、彼女自身のポートレートをドキュメンタリーで撮ってます。
彼女の名はナターシャ(natasja)。彼女のアルバムは今月日本で発売する予定です
デンマーク人とアフリカ人の血が混ざっています。ジャマイカで歌い続け、歌詞もパトワ語を用い、ジャマイカでは非常に人気があった歌手です。
K:結構色々撮ってんだね。「goodcopy badcopy」は視点が良いですね。
ア:「goodcopy badcopy」はインターネットでダウンロードできますよ。
http://www.goodcopybadcopy.net
ここから入るとhttp://thepiratebay.org/というサイトに飛べるんですが、このサイトが何をやっているかというと、映画・映像作品の断片を色んなとこから集めてくる。だから違法ではない、丸ごと何かをダウンロードするわけではないので、いわゆる法律をかいくぐることが出来るサイトです。
K:最後に日本のみんなにメッセージを
ア:これを見た人にはもっとマインドをオープンでいてほしい、好奇心をもってほしい、何かに対してもっと許すことを知ってほしい、若い人たちの価値観を理解してほしい、どのように彼らがコミュニケーションをとっているのか知ってほしい、都市空間の中で何が起きてるのかを気にかけてほしい。
〜インタビュー終了〜
Dr.K
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